株式会社アイザワ
大正11年から新潟県燕市で、暮らしに馴染む道具を丁寧に作り続ける工房アイザワさん。商品を作るうえで常に考えることは、使うための道具であり、長く使える機能と品質を備えた道具であること。商品を作るアイデアは普段の生活の中のほんの少しの疑問や生活の変化から発想していると言います。お店や工場での雑談の中からヒントを得て生まれたものもあるとか。生活道具であるがゆえに、日々の生活の中から得られるヒントは多いのだと思います。受け継がれた技術や製法を用いて作り出される道具たちは、どれも使い手のニーズを考えてのものばかり。シンプルなデザインでありながら、機能的でとても使いやすい道具ばかりです。
1. 金属加工で知られる新潟県燕市
なぜこの土地で金属加工が盛んになったのか、その理由は風土から読み解くことができます。米づくりで有名な新潟県ですが、江戸時代には風水被害が毎年のように起こります。農家には厳しい日々が続き、そこで始まったのが副業としての和釘づくりです。明治以降、和釘から洋釘へと転換するも、技術の高さを受け継ぎながら、金属加工へと変化を遂げます。資源豊かな土地であったことや時代の変化に合わせて技術を受け継ぎながら進化させてきたことが功を奏して、金属加工がこの土地ならではの産業となり得たのだと思います。
2. ステンレスについて
産地の特性を活かしたステンレスに拘ってものづくりをされている工房アイザワさんは、様々な品々を世に送り出しています。数ある中で、私たちのお気に入りのストレーナーやツールをご紹介しています。ステンレスはさびにくい金属ですがメンテナンスフリー(お手入れ不要)な金属ではありません。汚れたままにしておくと錆びることもあります。ステンレスは空気に触れることで被膜を作り錆び難くなる金属です。水道水に含まれるカルキやカルシウムが付着した状態や焦げ付き特に外側をそのままにすると、そこから腐食が起きることがあります。ご使用や熱などにより表面の色が変わった状態にせず、毎回使ったら洗うことを心掛け、色が変わってきたら艶消し仕上げのものはスポンジの堅い方で根気強く洗い、ミラー仕上げのものは酢やレモンの切れ端などの酸性のもので表面を磨くときれいになります。そうすることで長くお使いいただけます。
工房アイザワの作り手のこと
全ての画像提供元:株式会社アイザワ
新潟県燕三条は分業の町で、個々の技術が作り出すものづくりをしています。作業工程ごとに専業化されているため、適材適所で工房アイザワさんが工場にお願いをしていきます。たくさんの工場を経て、ひとつのものが生まれる仕組みになっています。そんな分業の町には、工場がたくさんがあり、それぞれこだわりの機械を要しています。それはプレス加工であったり、研磨であったり、数えきれないほどの種類に及びます。金型のセットや研磨のあて方など、どれをとっても職人さんの技術と経験でしか成し得ないものものづくりがそこにあります。そんな町で真摯にものづくりと向き合う多くの職人さんは、皆さん目が輝いてイキイキしていらっしゃいます。