本間製作所

工場のまちの移り変わり

新潟県の燕三条といえば、全国的にも有名な金属加工地で、刃物や洋食器などの商品がたくさんつくられている地域です。多くの工場がこの地域に集まっており、工程の一部を他の工場へお願いする「分業制」で商品がつくられているのも燕三条の特徴です。分業制のメリットは、それぞれの加工工場の専門分野を活かすことで、高品質な商品がつくれることです。この地で70年以上、業務・家庭用調理道具をつくられている「本間製作所」さんがある燕市秋葉町では昔と今では土地の風景も変わってきたそうです。昔は本間製作所さんの他にもたくさんの加工工場がありましたが、約40年前から行政の方針で、地場産業発展のために燕市郊外につくられた工場・卸団地に移動した工場もあり、周辺地域では徐々に工場が減っていき、現在は最盛期から比べると8割ほどの工場がなくなってしまったそうです。昔から一部の加工をお願いしてきた外注先も減っているそうです。区画整理が行われ、住宅が立ち並ぶようになり工場のまちの風景は変わりつつあります。

可愛がってもらえる商品を

本間製作所さんの「KOINU」というブランド名には「仔犬(こいぬ)」のように親しみやすく愛着をもってもらいたい、そしてお客様のもとで商品を育てて欲しい、成長させてほしいという思いを込めて命名されたそうです。本間製作所さんの商品は、業務用厨房用品をはじめ、家庭用の調理道具を含めて約2,200点のアイテムがあります。長年業務用で愛用され、プロの現場で活躍している商品を、家庭用向けに改良した商品も開発しています。約10年前に開発された商品のなかで、下ごしらえの時に使用する定番の角バットの仕様を変えた「フラットエッジバット」があります。通常の角バットの上部のフチは巻き込みがあるので水切れが悪いという点や、同じサイズのバットを重ねると、ピッタリとくっついて離れにくいという点がありました。こうしたお客様の声を受け、当時海外で見つけた角バットにヒントを得て、かゆいところに手が届くようなバットが完成しました。

フラットエッジシリーズ 商品ができるまで

「工場 保有金型の一部」 画像提供元:株式会社本間製作所
お客様の声から出来た「フラットエッジ角バット」は、まずは「金型づくり」から始まりました。この「金型」で材料に圧力をかけ(プレス)、数工程かけて形状を変形させ商品を成型していきます。その工程毎に「金型」を製作しますが、一気に形状を変形させると材料が切れたり不要なしわが出るので少しずつ変化させていく必要があります。そのため一つの商品を成型するのに4~7、8の金型が必要になります。本間製作所さんでは8,000以上の金型を有しています。

「製造作業 プレス加工」 画像提供元:株式会社本間製作所

まずは商品を加工に適切な形状に抜出す(ブランキング)、そしてゆっくり圧力をかけて(プレス)、形状を変化させ、数工程を経て完成します。そしてその工程毎で材料にしわや裂けが出ないかを確認し問題があれば金型を削ったり、その他微調整をします。また加工の圧力やそのスピードを調整し試作を重ねます。このような作業をサイズ毎に4~5回行い、3~4か月かけて完成させます。

 「製造作業 側抜き加工」 画像提供元:株式会社本間製作所」 

その後、成型後に出る材料の余分な部分を「側抜き」し最終形状になります。(バリ)を削り取り、(プレス)により発生する材料表面の荒れを研磨し、洗浄を行い商品が完成します。このようにして全サイズラインナップ化するまでに約2年もの時間がかかりました。

また、バットに合わせる蓋(トレー)の開発も同時に行い、フラットエッジのバットの魅力を引き出しています。トレーの外径は同サイズのバットの縁の外径よりも少しだけ大きく設計されていてセットで使用したとき絶妙に扱いやすくなっています。

作り手みなさまのこと

「新潟 本社」 画像提供元:株式会社本間製作所

「株式会社本間製作所」さんは新潟燕市で1951年に創業されました。創業当初は家庭用品の調理道具の製造から始まり、徐々に業務用厨房用品を展開されていき、現在では2,200点の商品を扱っているメーカーさんです。業務用の商品はプロ向けだからこそ丈夫で、忙しい調理場に対応した便利な商品が多いものの、サイズが大きい、扱い方がよく分からない等、残念ながら家庭では扱いにくいアイテムが多いですが、長年業務用で愛用され、プロの現場で活躍している商品だからこそ、家庭用向けに改良することで、どんな人も使いやすい商品になるのでは。と、新たな商品を次々と開発されています。

「本社 ショールーム」 画像提供元:株式会社本間製作所

本間製作所さんの強みは「金型」を自社でつくれる技術があることです。技術者の方は35名おり、プレスや磨き、組み立てなどの工程別に分かれ、専門性を磨くことでKOINUブランドの技術を守り続けています。金型の種類は8,000以上もあり、ベテラン技術者さん居なくしては新商品の開発はできません。「こんな商品をつくりたいけど、一からつくらないとダメだろうか?」「この金型を応用すれば、できると思う」
そんな助言から、スピードをもって新商品の開発ができ、ベテラン技術者の方も若い技術の方も一緒になって商品開発に参加することで、以前よりもコミュニケーションが取れるようになり、若い技術者さんが色んな知識、技術を得る場となっているそうです。新商品開発を通して、知識や技術が継承されていく。これから、どんどん業務用アイテムが生まれ変わり、家庭でも使いやすい商品が開発されていくことと思います。
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