かんずり

新潟県妙高市

画像提供元:有限会社かんずり
新潟県妙高市は上越地方にあり、全国でも有数の豪雪地帯であるだけでなく、夏は大変熱い土地柄でもあります北信五岳の一つである妙高山(日本百名山)は人気の観光スポットで四季折々の景色が美しく、麓にはスキー場があり冬になればウィンタースポーツも楽しめる自然豊かなところです。また、山の地下水を利用した日本酒造りや妙高ゆきエビも名産品となっています。そして、妙高市で歴史ある調味料を製造しているのが「有限会社かんずり」さんです。創業55年目となり、現在は3代目の東條昭人社長にかんずり作りが受け継がれ、従業員15名で地域の食文化を全国に広く伝えています。

かんずりとは

画像提供元:有限会社かんずり「かんずり用唐辛子」
かんずりは唐辛子、糀、柚子、塩を合わせて作られる発酵調味料のことで、1年で最も寒い時期に仕込みを始めることから「寒造里」とも書きます。かんずりの原料である唐辛子は自社栽培と妙高市の契約農家さんの「かんずり用唐辛子」を使用しています。見た目は大きく、厚みがあり、辛さにも深みと旨味があります。
かんずりのルーツは戦国時代までさかのぼるといわれており、かつては妙高地域の各家庭で作られていた唐辛子の調味料だそうです。戦後、食品の流通が発達すると自家製調味料の役わりは薄れ「手前かんずり」を作る家庭は減っていきました。そこで、初代社長の東條邦次は地域の食文化を絶やすわけにはいかない、と息子(二代目社長)の邦明とかんずりの商品化を決意。家庭によって原料や配合の違ったかんずりを研究し、現在の商品の原型ができたそうです。

長い月日と手間をかけて

画像提供元:有限会社かんずり「唐辛子の畑」

かんずりづくりは唐辛子の苗作りから始まります。雪もまだ少し残っている4月頃に種を植え、広大な畑で数千本もの苗を丹念に育てます。夏過ぎになると苗木には唐辛子が鈴なりに実り、収穫となります。収穫は8月~11月の間に10回ほど行われ、全部で数トンの唐辛子を収穫します。傷が付くと唐辛子は腐りやすくなるため、全て人の手行われ、3~5人で一本一本丁寧に収穫します。収穫された唐辛子はたっぷりの水で洗い、虫・傷みなどを取り除き、丁寧に選別します。

画像提供元:有限会社かんずり「雪さらし」

その後、天然海水塩で塩漬けにします。塩漬けされた唐辛子は「雪さらし」と言われるかんずり作りにおける一番大切な工程に移ります。
この工程は、冬のある日、軒下に吊るしておいた唐辛子が風に吹かれ雪の上に落ち、後日埋もれていたものを食べたところ、灰汁やえぐみのない美味しい唐辛子になっていました。これをきっかけに、現在では夏から秋にかけて塩漬けした唐辛子を大寒(1月20日前後)から雪の上にまく作業を行っているそうです。この「雪さらし」は大体3~4日間、天気予報を見極めながら雪の上で寝かせます。
その後回収するのですが、雪が被さった唐辛子を一つ一つ掘り出すのがとても大変な作業で、時には1メートル近くも掘起す事もあるそうです。
こうして回収した唐辛子を洗浄し、すりつぶしてから糀、柚子、食塩を加え、3年間の熟成・発酵期間に入ります。
2年目の熟成・発酵期間には年に1度、気温が上昇する前の6月~7月に大きなへらを使用して撹拌する「手返し」と呼ばれる空気を入れて発酵を促す作業行います。
3年目も同様に「手返し」を行い、11月~12月の初雪が降る頃、1樽約300kgの樽を外に運び出し、「寒ざらし」という、唐辛子の味を引き締める工程を行います。樽に雪が積もることで自然冷蔵庫となり、より一層マイルドな辛味に仕上げることができるそうです。
こうして、足掛け4年にも及ぶ長い月日と手間をかけて、日本の伝統調味料「かんずり」が出来上がります。

おいしいかんずりのヒミツ

新潟県妙高市は全国でも有数の豪雪地帯であるだけでなく、夏は大変熱い土地柄でもあります。発酵に必要な糀菌が働きやすい冬の風土と、唐辛子が真っ赤になる暑い夏の日差し、この2つの条件が揃っている妙高市だからこそ、美味しいかんずりが生まれました。
唐辛子は自社栽培を中心に妙高市で収穫されたものにこだわり、保存料・添加物は一切使わず、自然発酵の力だけで作られています。
「雪さらし」や「寒ざらし」など、大変な作業を一切妥協せず、おいしさへの手間を惜しまない思いが、商品から伝わってきます。
最新情報をチェックしよう!